人と人をつなぐ道のために。

佐藤 志帆さん

工学部 都市デザイン工学科
(現 環境土木工学科)
2017年卒業

西日本高速道路エンジニアリング
四国株式会社
土木事業本部 調査設計部 調査設計二課

香川県高松市花園町3-1-1

高速道路の安全を守る「調査」

誰もが一度は利用したことがある、高速道路。利用者が安全に利用できるように、現状を調査し、問題点を見つけて、保守・改良の足がかりをつくることが、私が今取り組んでいる仕事です。
担当しているのは、地元である香川県を含む、四国全体の交通分野です。調査はまず、事故が増えている場所をデータ検証するところからスタートします。周辺を走っている車は、どれくらいの速度を出しているのか。事故のあった場所の修繕や工事は、いつ頃行われたか。事故の内容はどのようなものだったのか。高速道路を利用されている車の「ETC2.0」、道路の下にある交通量を調べる「トラフィックカウンター」などから集まってくる、高速道路の利用にかかわる大量のデータを、さまざまな方向から分析します。また、現地調査が必要な場合は、直接現地に赴いて、具体的な検証を重ねていきます。
調査の目的は、安全性を高め、これから起こりうる事故を未然に防ぐことです。問題点が明確になれば、道路自体や法面、標識などを、どのように改良すれば良いのかが見えてきます。何か改善をした後も、それが本当に効果を生んでいるのか、具体的な調査をすることで、より精度の高い解決方法を模索していきます。

より良い暮らしを思い描く、学びの喜び

父が建築関係の仕事をしていたこともあり、もともとまちづくりに関心があった私が「道」に興味を持つようになったのは、小学生の頃でした。実家の近くで高速道路の工事があり、高い場所をどこまでも真っ直ぐに伸びていく道が作られていく様子に、ドキドキしたのを今でも覚えています。
まちや道にかかわることを広く学びたいと思い、広島工業大学へ入学した私が特に夢中になったのは、都市計画についての学びです。実際に住んでいる人のより良い生活を思い描きながら、それぞれのまちの特色にあわせた都市計画を練っていくことに、楽しさややりがいを強く感じました。
大学生活の中で自分が変わったなと思うことは、年齢の離れている大人との会話の楽しさに気づいたことです。特に女子学生のキャリア形成を目的とした女子学生キャリアデザイン(JCD)センターなどの活動を通して新しいことにチャレンジする中で、あまり話す機会のなかった企業の方、大学の教職員の方々など、さまざまな人と関わり、豊かな4年間を過ごすことができました。
また、旅行が好きだった私は、在学中に国内をいくつかまわりました。「ベタ踏み坂」として有名な、山陰の「江島大橋」を実際に渡ってみるなど、自分のペースでじっくり見れたことは、とても貴重な経験でした。

ものをつなぎ、人をつなぐ「道」

入社して3年目の現在、資格試験などに挑戦するとともに、学会への論文発表にも積極的に取り組んでいます。自分たちが行っていることを社外へ発信することは、業務や自分の行いをもう一度見つめ直す、いい機会になっています。現在の仕事は「調査」の部分を担当しているのですが、データの分析力を磨くとともに、ゆくゆくは、その解決策を具体化する「設計」にも携わっていきたいと考えています。
ものをつなぎ、人をつないでいく「道」を支えることで、まちに住む全ての人の暮らしを、安全で豊かなものにしていきたい。そのためにも一歩ずつ、努力を重ねていきたいと思います。

西日本高速道路
エンジニアリング
四国株式会社

[本社]
〒760-0072
香川県高松市花園町3-1-1
TEL:087-834-1121(代表)

平成4年設立。NEXCO西日本グループの一員として、人々の生活をかたちづくるあらゆるモノをつなぎ、その発展を支える高速道路をテクノロジーで支えている。

http://www.w-e-shikoku.co.jp/

大学1年生・入学

新しい場所での新生活に、わくわくしていました。女子学生キャリアデザイン(JCD)センターでの活動や大学祭実行委員会に参加したことにより、学年や学科を越えた友人が増え、つながりが広がりました。

大学2年生

課題や試験対策などに追われて、あっという間に月日が過ぎていきました。斜面の崩壊を防ぐために設計・構築される「擁壁」の構造についての製図など、苦労しながらも充実した学びを重ねました。

大学3年生

産学連携のインターンシップに参加し、今の会社に出会いました。会社の雰囲気や、社員一人一人を大切にするところに惹かれて、第一志望にすることを決断しました。

大学4年生

SPIや小論文、面接練習など就職試験対策をしっかりと行い、内定をいただくことができました。卒業研究や、建設コンサルタント会社でのアルバイトなどを通して、知識をさらに磨いていきました。

就職

3か月の研修をみっちりと受け、言われたことをこなす日々でした。はっきりとした目標を設定できなかったこともあり、とにかく幅広く知識を身に付けようと努力を重ねました。

社会人2年目~

大学入学前より興味があった交通分野の業務を任されることが増え、のめりこんでいきました。交通分野のエキスパートをめざすとともに、技術士などの資格取得や、情報発信としての論文投稿にも挑戦しています。

Q&A

自分って理系だなと思う瞬間を教えてください。

何事も損得を考えてしまうところです。買いものをする時にも、ポイントがつくもの、値引きがしっかりされているものなど、何がどれだけお得なのか、比較検証してしまいます。

ゼミの思い出を教えてください。

就職活動や卒業研究の時期に、よく教授の部屋へ行って相談をしていましたが、本題以外の話が盛り上がり、よく脱線しながら話していました。何時間も教授の部屋に居座っていたことが多くありました。

大学の頃に没頭していたことはありますか?

大好きな旅行へ行くために、食費などの生活費を節約していました。毎日の自炊・弁当作りはもちろん、日曜日には安い食材をまとめて買って、料理をたくさん作って冷凍したりしていました。

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環境土木工学科

人々の往来を支える橋や道路や鉄道。生活に必要不可欠な水道・電力・通信施設。日々の暮らしに憩いを与え、災害時にも役立つ公園。そうした「社会基盤施設」の計画・建設・維持管理を、新しいニーズを取り入れながら幅広く学び、安全安心で快適な暮らしを支えるエンジニアをめざします。

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